久永草太

去り足の素早い春が遺留して壺菫ツボスミレだけ咲いていました ツボスミレは湿った場所によく見られ...

しまい方わからないこの人生で拾ってしまうミサゴの頭蓋 こんなにガラクタだらけの家をいつか引き払...

さくらもち、かしわもちへとうつりゆくここがあなたのうまれたきせつ 先日出産した友人のAさん、母...

姿勢ってなんだったっけ人をだめにするクッションを買っちゃってもう 「人をだめにするクッション」...

やわらかく葉をひろげいるオニノゲシそのいららまだ何も刺さずに ノゲシとオニノゲシは似ている花な...

ホームラン打っても球は落ちるけど、落ちるから放物線きれい 週末に発表があり『命の部首』が現代歌...

啄木鳥きつつきになってつつけばやわらかく木霊する人亡くして静か 奥田亡羊さんの訃報が届いた。心...

実るほどこうべをたれる稲穂より深々と萎れたるほうれん草 葉もの野菜が高いので、お見切り品コーナ...

あぶら汗の酸っぱき髪を泡立ててはやく終えたし二十四時間 恥ずかしい失敗をすると、かあっと頭皮の...

巨大なるぐい飲みあらばそに酌まんミツマタ甘く香る林を 花見酒、とはいかなかったけれど、友達と夜...