柿ならばドュルリと熟れた方が好き人間ならばサクサクが好き
昨日の乃上さんの歌の素直な好意の表明に面食らってしまった。好き、を伝え合うほどになめらかになる人間対人間のコミュニケーションを、ちょっと観察してみたく思う。「好き」の表明には、「どんなところが」とか「どうして」みたいな背景の提示が必要な気がしてしまうけれど、きっとそうとも限らないんだろう。サクサクの柿が好きなんて甘いニンジンと一緒やん、と思うけれど、僕にそう言われた人たちがモゴモゴとなにか口ごもりながらも己の好きを曲げないように、言語化できないなにかがあって生み出されるなめらかさがあるのだろう。
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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