No.669/2025年10月30日【みずから】 出られずに納屋で暴れているスズメみずから傷つきやすし心は

久永草太

一昨日の夜、うちの裏の小さな納屋に入るとスズメが一羽迷い込んでいて、追い出してやるのに苦労した。夜盲症のことを「鳥目」と言ったりするが、まさしくそんな感じで、どっちへ飛んだら外に出られるやら全くわからない様子で、手当たり次第に飛んでは天井や壁に激突するから見ていて痛々しい。虫取り網でもあればよかったのだけれど、あいにく捨ててしまっていて、無力に立ち尽くすばかりだった。懐中電灯で照らしたり追い立てたりして(効果があったかは微妙だけれど)ようやく脱出成功。もう入んなさんなよ。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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