No.709/2025年12月9日【余】 三人で飲む瓶ビール うん、ぼくら余すところのない旅だった

久永草太

先週乃上さんが宮崎へ来てくださって、伊藤先生と僕と三人で、二年間のいちごつみを労いながら酒を酌み交わした。交わした、というか、三人カウンターに横並びの、真ん中の席に座ってしまった乃上さんばかりが注ぎ役になっていて、遠方から見えたゲストのはずなのに、なんだかおかしかった。いつもこんな感じで、息ぴったりというよりは若干呼吸のテンポがずれている三人で、それぞれの息継ぎで泳いだ二年だったと思う。二年続いた企画だが、今年の大晦日で「三世代のいちごつみ」は幕にすることになった。あと二十日とすこし、余すところなく飲み干したい。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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