毬つきの唄つながらぬ夜のメール二人遊びの一人冷えてゆく
手紙ほどではないけれど、メールはLINEのように即興的なやりとり中心ではなく、より時間をかけて言葉を交換するメディアだと思う。友達と童歌を歌いながら毬をつくように、相手の声に耳を傾け、急がずにコミュニケーションを深めてゆく。会話というより対話。時に難しいこともあるが、そう心掛けたい。
作者/加古陽(かこよう)

1962年、愛知県生まれ。「心の花」「微文積文」会員。東京新聞編集委員。第54回角川短歌賞次席。歌集『夜明けのニュースデスク』(前川佐美雄賞・筑紫歌壇賞)。歌書『一首のものがたり』(日本歌人クラブ評論賞)

コメント