心という毬ひとつ持ち人生はうたいやまない毬つきの唄
先日、友人三人でランチの予定だった。そのうち一人が来ず連絡も取れなかった。心配しつつも、私たちは二人で食事をして、おしゃべりをして、浜離宮恩賜庭園の紅葉を見た。その後も、LINEをしても電話をかけても返事はなかった。翌日の夕方やっと来たLINEによると、夫からのDVで全治一か月。携帯電話も取り上げられたという。その夫とは私も何度か食事をしたことがある。ショックで鼓動が大きくなり鳴りやまない。衝撃の大きさに、その後もずっといろいろ考えてしまう。とても幸せな夫婦だと思っていた。今日はいい夫婦の日。夫婦って何だろう。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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