No.546/2025年6月29日【言葉】 わが知らぬ言葉ばかりを言語野に汲み上げてあなたのコード・レビュー

菅原百合絵

自分の守備範囲ではない分野のジャーゴン(業界用語・専門用語)に出会うとついときめいてしまう。知らない世界を背伸びして覗き見しているような感覚があるのだと思う。カタカナ用語の多さゆえにしばしば揶揄されるコンサル界隈の「ネゴる」「アベる」といった謎動詞も好きだし、「アヤつける」「シノギ」といった裏業界的な語彙も(読む分には)おもしろい。夫が使うエンジニア系ジャーゴンにも最初は興奮していたが、「門前の小僧習わぬ経を読む」で最近はすっかり慣れてしまった。

作者/菅原百合絵(すがわらゆりえ)

1990年、東京生まれ。「心の花」会員。歌集に『たましひの薄衣』(書肆侃侃房)。本業はフランス文学研究。専門は十八世紀フランス文学・思想、とくにジャン゠ジャック・ルソー。

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