No.725/2025年12月25日【生ハム】 生ハムの消える日迫るこの宵を(メリークリスマス)友と集いぬ

乃上あつこ

その死んだ豚の足一本、もとい、久永さんの同棲相手は、どこから来たのだろうか。生ハムの入手ルートが気になる。現在、アフリカ豚熱の影響により、在庫が切れれば入荷の見込みがない状況だと、飲食業の人から聞いている。来年春には、生ハムが消えることも予想される。希少性の高い食べ物があると、パーティーは盛り上がる。クリスマスに、忘年会に、新年会にみんなで食事することはとても楽しい。集まれる時に集まるべきだ。生ハムも人も永遠にはそこにいない、一枚ずつ、一人ずつ消えていく。義母が亡くなり、そんなことを感じてしまう年の瀬である。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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