あらたなる祈りをあまた吸い上げて言の葉さらさら七夕の空
七夕は短冊にお願い事を書く風習がある。年とともに自分に関する願い事は減り、誰かの体調や異国の平和を祈っている。この年になると、自分への諦めもあるし、自分のことくらい自分で何とかしようという現実的な捉え方になっているせいもある。いずれにしても、祈りは言葉によるものだ。言葉という平面のものから、肉体を使った体験への立体化、いや4D化が行われてはじめて叶ったことになる。自分のこれまでの願い事が叶ったか、振り返る。中国語は話せるようになった。他に、子どもの頃から作文が得意で、文章を書くことをしたいと思っていた。おかげさまでそれも叶っている。ありがたいことだと思う。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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