2025-06

伊藤一彦

No.537/2025年6月20日【中】 かのビーナス故ぞ深かる真白の泡の中から生まれ立ちたり

かのビーナス故ぞ深かる真白の泡の中から生まれ立ちたり ビーナスは海の泡の中から生まれたが、ある...
乃上あつこ

No.536/2025年6月19日【とうきび】 地中から伸び宇宙からしずくする唐黍状の聖家族寺院(サグラダ・ファミリア)

地中から伸び宇宙からしずくする唐黍状の聖家族寺院サグラダ・ファミリア 私がいつか行きたいと思っ...
久永草太

No.535/2025年6月18日【書斎】 家じゅうが書斎となってしまいたり茹でたとうきび厨で食べる

家じゅうが書斎となってしまいたり茹でたとうきび厨で食べる 〆切前、とくにいくつかの原稿が重なる...
伊藤一彦

No.534/2025年6月17日【聞こえ】 しづまれる書斎の天井ゆ聞こえくる声あり今日は誰の忌日か

しづまれる書斎の天井ゆ聞こえくる声あり今日は誰の忌日か 私の書斎の三面は天井まで本だ。日によっ...
乃上あつこ

No.533/2025年6月16日【来】 子音ばかり聞こえて来そうでこそばゆい陽のひかりに黄の酢漿草ゆれて

子音ばかり聞こえて来そうでこそばゆい陽のひかりに黄の酢漿草ゆれて かたばみは、小さな花がひそひ...
菅原百合絵

No.532/2025年6月15日【行き来】 葉をすべり落ちゆく雨よ天地(あめつち)を行き来して雨は愉しかるべし

葉をすべり落ちゆく雨よ天地あめつちを行き来して雨は愉しかるべし 雨が降っているときに出かけるの...
伊藤一彦

No.531/2025年6月14日【半透明】 酒の香の半透明の言葉たちパーティ会場を行き来してゐる

酒の香の半透明の言葉たちパーティ会場を行き来してゐる 5月から6月にかけて、夜の立食パーティに...
今日の短歌

No.530/2025年6月13日【半】 ロッカーのキーをなくした午後のよう半透明に暮れゆくわたし

ロッカーのキーをなくした午後のよう半透明に暮れゆくわたし 鶏の半身揚げは、私はまだ食べたことが...
久永草太

No.529/2025年6月12日【半身】 本心を聞かせろ、なんて 内腔を伏せて運ばれくる半身揚げ

本心を聞かせろ、なんて 内腔を伏せて運ばれくる半身揚げ 札幌で食べた若鶏の半身揚げが未だに忘れ...
伊藤一彦

No.528/2025年6月11日【嘘】 半身は嘘でかためて世を生きるすべもつべしと悲しき先輩

半身は嘘でかためて世を生きるすべもつべしと悲しき先輩 塚本邦雄氏の若い日の歌に〈嘘だらけなる世...
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