No.533/2025年6月16日【来】 子音ばかり聞こえて来そうでこそばゆい陽のひかりに黄の酢漿草ゆれて

乃上あつこ

かたばみは、小さな花がひそひそ声でおしゃべりしているように咲いている。かわいく楽しげに見えるのは、太陽の光を浴びて揺れているからか。どんなに耳を澄ませても、はっきり聞こえない。子音ばかりで意味の取れない外国語の会話のように思う。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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