全部全部全部裏目に出て師走コムラサキの実つぶしていたり
厄月かと思うほどなんだかもう落ち込むことが立て続きに続いてきてやんなっちゃっている。私を落ち込ませているどれにも共通するのが、あそこでああすべきだったよね、なんでこうしたの、的な指摘で、結論を見ればそれらは全部正しいとわかる。でも、霧の中をつまづいたり転んだりしながらやっと歩いてきたところに、霧が晴れたあとから「あっちじゃなくてこっちを通れば転ばなかったじゃん」と言われて、「ですね」と頷きながら、転んだ膝のすり傷に、まだじわっと血が滲む。
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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