No.630/2025年9月21日【本】 シャーベットのやうなる光浴びながら本にならざる小説を読む

佐藤モニカ

沖縄でも朝夕は風が少し涼しくなった。そのせいか、ここ数日風邪気味である。毎年選考に加わっている九州芸術祭文学賞の沖縄代表を選ぶため、最近はずっと小説を読んでいる。読む時は集中して読みたいので大抵深夜になってしまう。私と猫以外、誰も起きていない家の窓からシャーベット色の月が見える。この長い夜を伴走してくれるありがたい存在なのだ。

作者/佐藤モニカ(さとうもにか)

1974年東京生まれ。歌人、詩人、小説家。2013年より沖縄県名護市在住。竹柏会「心の花」会員。歌壇賞、現代歌人協会賞、日本歌人クラブ新人賞、九州芸術祭文学賞最優秀賞、山之口貘賞、三好達治賞など受賞。

コメント

タイトルとURLをコピーしました