No.629/2025年9月20日【鎮】 次に貸す本を選るとき本棚は鎮守の森に似てさんざめく

久永草太

この間うちから『オレがマリオ』をかっぱらっていった友達が「短歌ってすごいね」などと言い出したものだから、大慌てで『サラダ記念日』を追加投与したところである。それもどうやら読み終わったらしく、次をどうしようかと本棚を端から眺めている。もう一度俵万智でトドメを刺すか。長谷川麟『延長戦』や竹中優子『輪をつくる』なんかも読みやすいかもしれない。笹公人『念力家族』はいきなり強火すぎるだろうか。おっと、『三世代のいちごつみ』という本も並んでいる。本阿弥書店から出たばかりの新刊のようだ。歌と一緒に文章も載っていて、これもオススメできるかもしれない。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

コメント

タイトルとURLをコピーしました