シャーベット色の鱗粉かがやかせ秋風運ぶ坪谷の揚羽
モニカさんの文章の中の「シャーベット色」という表現がきれいで、私も使ってみた。牧水生家での歌碑祭の時、揚羽蝶がゆらゆらと飛んでいた。大きくても蝶は蝶だけど、人間が一人そこにいるような存在感だった。宙に舞う軽やかさの中、くっきりとそこにいて、話しかければ応えてくれそうな感じがした。
作者/乃上あつこ（のがみあつこ）
1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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