かなしみのあつき人なれ木立出て野の八月の陽に身を灼く
牧水の誕生日の前日の8月23日に宮崎大学の中村佳文さんの主催でトークをおこなった。「かなし」と「さびし」、「こころ」と「たましひ」、「たましひ」と「いのち」、「いのち」と「生命」など議論が発展した。牧水の場合、「かなしさ」も「さびしさ」も尋常ならざる強さと濃さと深さをもっていた。そこを理解しなければ牧水の常識外れの飲酒など理解できないだろう。「かなし」も「さびし」も用語としてはありふれているが。乃上さん、牧水に続いてお誕生日おめでとうございます。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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