乃上あつこ

天空へ駆け上がる馬の背と思うスカイツリーの夜の木肌は 直線的な東京タワーに比べて、スカイツリー...

八月は互いの記憶を合わす月　花火が消えて眼は何を追う 八月は戦争を振り返ったり、お盆で先祖の霊...

杯さかずき座、小枝子座ひかる牧水の夜空の果ての星物語 モニカさんに続き、明日は牧水さんのお誕生...

吹く息と吸う息で鳴るハモニカの音ひるがえる海水浴場 楽器は吹くことで音が鳴るものが多いが、ハー...

向日葵が胸いっぱいに咲き盛りあつい息吐く三度みたびのコロナ 牧水・短歌甲子園、今年もとっても熱...

かろうじて輪郭たもつ夏の午後わたしの腕と猫のしっぽと 「私は猫に対して感ずるような純粋なあたた...

人よりも大きな頭をのせつつもかわいさ振りまくハローキティは 犬や猫がかわいいのは、人間よりも小...

雲は龍に、風は虎に従えど客は酸っぱき予報に従う 台風接近のニュースに、人は酸っぱい顔をする。平...

無情なる強き陽射しが引きし糸ほつれて夏の形を崩す 強い日差しがあるのは夏らしいが、これまでにな...

家に一人こもる真夏の片隅の箒は空を飛びたがってる 伊藤先生がここ数年ずっと取り組まれていた『若...