天空へ駆け上がる馬の背と思うスカイツリーの夜の木肌は
直線的な東京タワーに比べて、スカイツリーは曲線が多い。人工物でありながら、どこか生命体のようにも御神体のようにも思う。いや、スカイツリーなのだから御神木と言ってもいい。
中国語では当初「晴空塔」と言っていたが、あまりこの言い方は普及せず「天空樹」と呼ばれることが多い。塔だと建築物である印象が強くなるが、樹なら生きものめいて幻想的だ。
誕生日のお祝いの歌とコメント、ありがとうございます。昨日は家族で、スカイツリーの見える部屋に泊まりました。スカイツリーに足を向けて寝たので、寝ている時だけスカイツリーの木肌を歩くような気分でした。人間を歩かせてくれる、心の広い御神木です。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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