No.713/2025年12月13日【揺れ・地】 鈴のなか揺れて鳴る玉 一輪のりんどうが咲く風の大地に

乃上あつこ

先週、宮崎で開催された「全国ふれあい短歌大会」を見学した。伊藤先生の司会進行の下、河野県知事、片山佳代子さん、藤﨑正二さんの評を聞きながら、さまざまな歌を鑑賞した。その際にも山田幸子アナウンサーが活躍されていた。鈴が鳴るような美声とはまさに山田さんのことで、優しく華やかで艶のある声が素敵だ。
翌日に登った高千穂峰では、「風の鳥居」の先に薄紫のりんどうがたった一輪咲いていた。すれ違う登山者は互いに挨拶をしつつ、そのりんどうの花を見たかと声をかけ合う。あまりに小さくひっそりと咲いていた。鈴というより、その中の玉のような感じで、覗き込まないと見つけられない小さくてかわいい花だった。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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