年齢を置き去りにして人生の三周目ゆく久永草太
ドラゴンフルーツを初めて食べたのは、台湾だった。外皮は鮮やかなピンクで、切れば白い果肉に黒い粒々がある。私が珍しそうに写真を撮っていたら、台湾人の友人に笑われた。ところで、久永さんは年齢不詳だ。もちろん、爽やかな好青年なのは見ての通りである。しかし、おじいちゃん子であることを考慮しても、とても老成している。人間を遥かに超えた仙人のようなのだ。先日も私が愚痴をこぼしつつ相談をしたら、思いも寄らない角度から意見をもらい、とても心が軽くなった。新聞の人生相談コーナーを担当する日は遠くない。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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