No.642/2025年10月3日【ラピスラズリ】 牛乳を注ぐ女のエプロンにラピスラズリが砕かれた朝

久永草太

最近、鉱物と岩石の図鑑を買って読むのが楽しい。ラピスラズリ、日本では瑠璃と呼ばれている変成岩で、これを砕いて青い粒だけ集めると「ウルトラマリン」という顔料ができる、らしい。10gで3万円くらいする超高級顔料、らしい。金色の補色として重宝された、らしい。フェルメールがふんだんに使って借金をこさえた、らしい。地中で生まれたラピスラズリも、採掘されて人間界でこんなことになるなんて、思っても見なかった、らしい。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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