若い雲ふくらみゆきていつか得る発雷能力というかなしみ
去年買った雲の図鑑を開くのが楽しい季節が来た。最初の若いわた雲こと積雲は上昇気流でずんどこ大きくなって雄大積雲、積乱雲となる。積乱雲は十種雲形の中で発雷能力を持つ唯一の雲。さて、昨日は歌人協会賞の表彰式でたくさんチヤホヤしていただいて、自分で言うのもなんだけど、上昇気流真っ只中の若い雲である。このまま自分が膨張して、いずれ持ってしまうかもしれない権威や権力に、発雷能力に、敏感であらねばと思う。
作者/久永草太（ひさながそうた）
1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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