No.516/2025年5月30日【大通り】 ありんこが歩けばどこも大通り汗ばみながら銀座さまよう

久永草太

地図を見て「大通りに突き当たったら左だな」という歩き方を東京でやると迷うことがわかった。そこの君、そう、待ち合わせの銀座ライオンに向かう最中に迷って途方に暮れている宮崎県民の君だ。大通りだと思って君がさっき曲がったそいつは、東京基準だと大通りではない。それと同じくらい太い道を三本超えた先に、本当の大通りが待っています。引き返しなさい、迷えるありんこよ。汝に神のご加護のあらんことを。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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