No.515/2025年5月29日【草】 面影の重なりやすき初夏の草の風ゆく銀座大通り

乃上あつこ

日本歌人クラブの授賞式の前日に、なんと銀座で久永さんと会うことができた。久永さんが銀座ライオンに着くのを今か今かと、斜め向かいの職場の窓から私は見ていた。それを「スナイパーの角度」と久永さんに言われ、その瞬間から私は標的の到着を待つスナイパーとなった。小一時間ほど二人でビールを楽しく飲み、久永さんはイナゴの佃煮を買うため去っていった。ライオンからイナゴか、さすが獣医さん。またいつか銀座で久永さんと会える日が来るのだろうか。いつでも来てくださいね。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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