緑葉の下を行きつつ目にはやも浮かびくるなり草太のゑがほ
4日前の日本歌人クラブの授賞式と祝賀会の余韻がまだのこっている。久永草太さんの『命の部首』の新人賞の受賞式が明治神宮の参集殿で行なわれたのに参加したのである。私は授賞式の後に「牧水と喜志子」の講演を依頼されていて、好都合の出席だったのである。久永さんはいつもと変わらぬ爽やかさと明るさで堂々と受賞の言葉を述べた。乃上あつこさんはお祝いにかけつけてくれた。祝宴は二次会まであったが、久永さんは少しも酔っていなかった。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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