雨にはか傘をもたねば肘笠にわれ快走すヒーローのごと
田舎の畑のなかの道などでにわか雨におそわれると走るしかない。実際のところはヒーローなどではないが、恰好をつけて歌ってみた。少しでも濡れないように肘笠をつくって走るのである。漢字では柄のあるなしで傘と笠を使い分けている。ところで、外国語では肘傘をなんと言うのだろうか。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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