No.508/2025年5月22日【水木】 見る人の誰あらずとも大きなる山の水木の白き星咲かす

伊藤一彦

ハナミズキは北アメリカ原産の落葉木で、街路樹によくうえられている。アメリカヤマボウシとも言う。そして、水木は同じ落葉樹でも高木で、高さ十メートルに達するものも多い。初夏のころ、枝の崎に多数の小さい白い小花を散形花序に密生させる。山などで一度見たら忘れられない花である。高野公彦に「青春はみづきの下をかよふ風あるいは遠い線路のかがやき」(『水木』)の名作がある。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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