No.507/2025年5月21日【花水木】 花水木、はな、みず、き、そのあやうさにゆっくり口にしたい訓読み

久永草太

生物名らしくカタカナ表記でハナミズキと書かれているうちは気にならないが、漢字で書かれると花水木が全て訓読みであることに、いつも奇妙さを覚えてしまう。しかもいずれも小学校一年生の最初で習うような基礎的な漢字だ。雰囲気の似通いだけで言えば「月雪花(つきゆきはな)」のような言葉もあるが、形而上のものではなく、一種の植物を指すというところが決定的に面白い。しかも、それが日本の在来種ではなく、北アメリカ原産の木本に与えられた名であるということも。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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