No.667/2025年10月28日【速度】 星ぼしの流れる速度をたずねれば見かけ、実際、観測者われ

乃上あつこ

星の速度を語るには、見かけの動きと実際の動きに分けて考える必要がある。結局、見え方というのは相対的ということだ。ところで、来週初めて山形県に行くことになった。JR東日本の6000円分のポイントで、新幹線の往復ができるという旅に申し込んだ。行き先は不明だ。候補地4か所までは絞れるが、どこに行くかはおまかせというものである。3分の1から4分の1の値段で行けるのだから文句は言えない。ところがなんと、第一希望の「かみのやま温泉駅」行きをゲットできた。斎藤茂吉の故郷を見てみたかったのでうれしい。上山はどんな場所だろうか。星もきれいに見えるらしい。それも結局は、観測者われ次第なのだけど。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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