No.655/2025年10月16日【金】 キンと鳴るティンシャのように香りたち金木犀はここにある秋

乃上あつこ

昨日の歌によって、夕焼けが玉子ふりかけに見えてくる。久永さんがおもしろいこと言うものだから、香りたつ金木犀のかわいい小さな花の粒々だって、明太子ふりかけのように見えてきてしまう。もう、あっちもこっちも美味しいご飯のお供の秋だ。ヨガのクラスの最後に、みんなで目を閉じて瞑想をする。ティンシャの音がクラスの終了を告げる。久永さんのせいで瞑想中も、頭の中は炊き立ての白いご飯とふりかけ各種が浮かんできた。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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