No.512/2025年5月26日【雑】 こんなにも実のなるものか雑念の木下闇にて暑さをしのぐ

乃上あつこ

成果を出すには時間がかかる。すぐ思いつく歌もあれば、使いたい単語があっても何ヶ月も歌にならず放置しているものもある。さらに評論を書くのもまとまった時間が必要だ。にもかかわらず雑念という木は実がなりやすく、必要としていないのに次から次へと勝手に育ち、気がつけば見惚れるばかりの実をつけている。甘く漂う香りが、さらなる雑念へと人を誘う。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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