No.510/2025年5月24日【香】 「すき焼きの香り」と書いて「すき焼きの匂い」に直し、いやでもしかし

久永草太

『命の部首』が日本歌人クラブ新人賞を頂くことになり、表彰式のために昨日から東京に来ている。昼は憧れの銀座ライオン7丁目店に行き、夜は叔父がお祝いと言ってすき焼きに連れて行ってくれた。美味しいこと美味しいこと。舞茸の香り、醤油の香り、一つ一つがよい香りだけれど、それが集まって「すき焼きの香り」と言うと、なんだかそれはちょっと具合がおかしい気がする。でも、この幸せな嗅覚を、香りと表現したいとも思う。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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