No.722/2025年12月22日【琥珀】 「見えてきます、光る琥珀の前世が」太古のひだまり漏れる眼裏

乃上あつこ

私は以前、霊能者にそう言われた。私には遥か昔琥珀としての前世があるそうだ。黄色とも黄緑ともいえない強い光を放っていた。それからというもの私は琥珀の末裔となった。こんな一首を思いついたのは、おもしろい歌集を読んだ影響だと思う。笹公人さんの『念力物語』は思わず笑ってしまいつつ、時折ほろりと切なくさせる。〈マンモスの死体をよいしょ引きずった時代の記憶をくすぐる綱引き〉 情景を想像し、読み終わった後も思い出し笑いしてしまう。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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