林檎いろ葡萄いろ蜜柑いろになる木の葉やわらかに舞う蔵王山
宮崎にはおいしい果物が多いが、山形もなかなかのフルーツ王国である。先週、斎藤茂吉記念館や生家など、ゆかりの地を巡った。そして、果樹園併設のカフェでフルーツパフェを食べた。ラ・フランス、桃、葡萄、林檎などがグラスから溢れるほど盛りつけられたパフェがとってもおいしかった。そのせいか色がついたものがみんな果物に見えるほど楽しくなった。山岳信仰の対象である蔵王山の入口には、朱色の大鳥居が堂々と構えていた。そのすぐ脇に茂吉の歌碑がある。「蔵王山のかげより白雲のわきのぼるさまあざやかにけふはれわたる」その日も見事な晴天だった。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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