No.664/2025年10月25日【すみゆき】 晩秋の空すみゆきて富士の上(え)に王冠のごとき雪降りつもる

乃上あつこ

一昨日、富士山の初冠雪が観測された。去年よりは15日早いが、平年より21日遅かったそうだ。現代短歌大賞を受賞された志垣澄幸さんの歌集『雁喰』には、気候変動の観測者としての作者の歌も見られる。
・モノクロの映画のなかにひろがれるまだ温暖化知らざる海が
1934年台北生まれの志垣さんから見た今の世界を、この歌集を通して私たちはもっと語り合う必要がある。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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