押せばリンはなせばロンと鳴るチャイムリロリロ鳴らしおり暇なれば
我が家のチャイム、はじめから押しても鳴らず、てっきり故障しているものと思っていたのだけれど、なんと電池式で、その電池が切れていただけだということが昨年発覚した。住み始めて六年目の出来事である。〈きゅうとつまめばぴいとなくひな人形、きゅうとつまみてぴいとなかする〉(若山牧水)という歌もあったが、電池を替えたその日は、リンと鳴りロンと鳴るのが面白く、六年分と思って鳴らしまくるなどした。そのせいかまたも電池が切れている。
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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