去り足の素早い春が遺留して壺菫だけ咲いていました
ツボスミレは湿った場所によく見られる白いスミレ。他のスミレよりも遅い時期まで咲いているから、宮崎の短い春のあとしばらくは山に行ってもこのスミレくらいしか見つからない。ところで先日、歌友のJさんと自然詠の定義について話した。自然豊かな土地で暮らせば生活詠も自然を帯びてくるし、といってただ生き物が詠み込まれていれば良いという話でもあるまい。Jさんがそのあたりをテーマに今度勉強会を開いてくれるので楽しみだ。Jさん、この歌は自然詠でしょうか?
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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