No.728/2025年12月28日【奥】 肌と肌擦れあうときの音がある落ち葉の奥に渦まく宇宙

乃上あつこ

温暖化のせいか、年末になっても樹々の葉が明るい。高千穂で鮮やかな紅葉を見てからというもの、こちらに戻ってから道端の黄色や赤の葉をとても美しく思う。落ち葉同士が重なりあって、暗闇を作っている。その中には、そこだけの小宇宙が生まれているのだろう。そっと覗いてみたい気もするが、互いに素肌を合わせてこそ聞こえる音があるはずだ。各々の持つ小宇宙は、そのままにしておこう。私は立ち止まらずに、通りすぎた。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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