乃上あつこ

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No.56/2024年2月25日【焼】 焼売のグリンピースは消え去りて開くことなき緑の眼(まなこ)

焼売のグリンピースは消え去りて開くことなき緑の眼まなこ 口内炎は小さな点なのに、反乱軍のような...
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No.53/2024年2月22日【付】 付箋紙に吹く春風のはたはたと半分は冬に付着している

付箋紙に吹く春風のはたはたと半分は冬に付着している 今の時期の気候は、まさに三寒四温。被災地の...
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No.50/2024年2月19日【ビール】 くちびるの断崖に白くすがりつく一口目なるビールのあわあわ

くちびるの断崖に白くすがりつく一口目なるビールのあわあわ 一口目に飲むビールの味は格別だ。白い...
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No.47/2024年2月16日【教室】 教室は深いみずうみ 門番に靴をあずけて舟にゆられる

教室は深いみずうみ 門番に靴をあずけて舟にゆられる あまり意思のない子どもだった。休まず学校に...
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No.44/2024年2月13日【くちづけ】 透明なくちづけだった 雪と羽根の違いは二月のかもめにきいて

透明なくちづけだった 雪と羽根の違いは二月のかもめにきいて くちづけに重い軽いのあることは皆さ...
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No.41/2024年2月10日【耳】 耳たぶのように隠さず堂々とraison d’être(レゾンデートル)ここにいさせて

耳たぶのように隠さず堂々とraison d'êtreレゾンデートルここにいさせて 耳たぶは顔の...
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No.38/2024年2月7日【話】 度数高き会話に呼ばれ騒立ちぬ五月の嬰兒、霜月のピアノ

度数高き会話に呼ばれ騒立ちぬ五月の嬰兒、霜月のピアノ さすが宮崎。アルコールも短歌も度数が高い...
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No.35/2024年2月4日【鬼・子】 鬼の子をわが胸のうちに匿えば荒ぶるも良し春のはじめは

鬼の子をわが胸のうちに匿えば荒ぶるも良し春のはじめは 今日は立春。昨日行われた豆まきで、外に追...
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No.32/2024年2月1日【式】 うたびとが春を連れ来る如月の式場の上の空の空色

うたびとが春を連れ来る如月の式場の上の空の空色 今日は永田紅さんの若山牧水賞授賞式。歌集『いま...
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No.29/2024年1月29日【衣・誰】 水流を衣のようにまとわせて誰も触れえぬ女の膚(はだえ)

水流を衣のようにまとわせて誰も触れえぬ女の膚はだえ 伊藤先生の歌の「襯衣」は、中国語(簡体字)...
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