久永草太

咳止めをあふれんばかり服のむ人の玻璃のうつわのひび思いいつ ずいぶんしつこい風邪に付き纏われて...

虹色の尾を見てしまうにぎられてなお美しき車海老の尾 これはすこぶる自慢なのだが、先日、俵さんに...

お客様の姿を借りた神様が二柱ふたはしらいてまだ帰らない 乃上さんの新人研修の話を読んで、居酒屋...

かすかなる痒みもいつか爛れゆく皮膚のもしくは心の話 皮膚が痒い人に「皮膚科行きなよ」というのは...

ジョウビタキ初認せりこのまちにもう冬が来るって本当ですか 先週金曜日の10月25日、今シーズン...

反出生主義に夕映え　悪意なく羽化するキオビエダシャクきれい その名の通り、黄色い帯模様に光沢の...

アイロンで確かに皺は消えるけどなんて面倒臭い生き物 昨日の吉川さんの「神武さま」の話を読んで、...

白餡は蜂楽饅頭の為に存し、その他の餡はこれを認めない 嘘である。黒餡ももちろんうまい。だがやは...

精霊蜻蛉しょろとんぼあまた浮かせて秋風は弔いながらふいてゆく風 お盆の頃に増えてくることから、...

旅行きは半濁音の明るさでぱたぱた琵琶湖疏水を歩く 今日午後は心の花京都歌会の300回記念歌会に...