数の中で最も好きはやはり「一」わが名「彦」の上にありがたし
今日は5月1日。「月立(つきたち)」の日で、何となく清々しい。乃上さん、久永さんの分で別荘が話題になっていた。何軒も別荘を持っている富裕層の話だが、田舎住まいのわたしは今の自宅が別荘のようなものだ。自宅の住所は平原(ひらばる)だが、別荘の気分のときは平原(へいげん)と呼ぶ。
ところで、家は別荘を含めて「軒(けん)」と数えるのが普通だが、マンションなどは「棟(とう)」で数える。自宅を高級感でイメージしたいときは「邸(てい)」と言えばいい。しかし、陋屋のわが家はとうてい「邸」は無理で、空想しても「亭」か。連休中も「伊藤亭」で閑居している。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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