伊藤一彦

生よの終りしきりに雪を口にしてねむりけりとふ藤原俊成 昨日は藤原俊成の忌日だった。息子の定家は...

徳利と言へばタートルネックとぞ　海亀はわれきらひならねど 福岡女学院の短歌コンクールは全国から...

会いたしと言へば来るなと拒まれつ川の辺に鷺とともに棲む人に 歌集『鷺の書』の著者の築地正子は東...

「どんなバラの詩よりもバラの花がいいよ」ラフなシャツ着て谷川さんは 谷川俊太郎さんの訃報が届い...

さすが知の国のフランスの諺ことわざぞ「変はれば変はるほど変はらない」 いつも胸に秘めていること...

止める人なき大統領　牙も爪もまさに虎なる獣暴力の世か アメリカの大統領選挙はトランプ氏が当選し...

逝く秋の玄界灘の風の尾に切られつつ壱岐に曾良を偲べり 先週の週末に壱岐を訪れた。国民文化祭の「...

たましひがただれてゐたのか精神科にしげく通ひしかの冬のころは 五年前である。晩秋のころから不眠...

大銀杏ふらす言の葉きらめくを見つめゐるのみ読みあたはざる わすれられない大銀杏の樹がいくつかあ...

破漏有はろうの身なるにんげんのあふれゐる街に悪魔はおそれ近づかず 昨日のハロウィンは渋谷をはじ...