伊藤一彦 No.125/2024年5月4日【やっとこ】 何はさむ 道具箱より鋏（やつとこ）を取り出して妻は庭に消えたり
何はさむ 道具箱より鋏やつとこを取り出して妻は庭に消えたり
私は子どものころから不器用だった。...
今日の短歌
伊藤一彦 久永草太 No.124/2024年5月3日【支払い】 やっとこさ値切りカードで支払いて君と砂場で食う泥団子
やっとこさ値切りカードで支払いて君と砂場で食う泥団子
「ひゃくおくまんえんです」と、その子は握...
乃上あつこ No.123/2024年5月2日【老】 老舗では情緒と映る「支払いは現金のみ」の筆書きの文字
老舗では情緒と映る「支払いは現金のみ」の筆書きの文字
今どき現金以外の「術のない」支払いは不便...
伊藤一彦 No.122/2024年5月1日【術】 術のなきこと面白けれ老獪とローマは一日にしてならず
術のなきこと面白けれ老獪とローマは一日にしてならず
「たらちねの母が手はなれかくばかり術なきこ...
乃上あつこ No.121/2024年4月30日【起き】 起きられず二度寝の甘い蜜を吸う二度目を生きる術なきわれら
起きられず二度寝の甘い蜜を吸う二度目を生きる術なきわれら
意識の有り無しの観点から、眠りはしば...
久永草太 No.120/2024年4月29日【針金】 鋼（はがね）ではなく針金の決意なりぐにゃり曲がって早起きやめる
鋼はがねではなく針金の決意なりぐにゃり曲がって早起きやめる
しばらくのうちはちゃんと起きていた...
俵万智 No.119/2024年4月28日【粉】 やわやわのうどん好める福岡に「バリカタ」「針金」「粉落とし」あり
やわやわのうどん好める福岡に「バリカタ」「針金」「粉落とし」あり
「うどんにコシはいらない！」...
乃上あつこ No.118/2024年4月27日【上】 店員の予言をたどる粉砂糖、こぼれてスカートの上に散る
店員の予言をたどる粉砂糖、こぼれてスカートの上に散る
カフェでマラサダなるものを注文した時、店...
久永草太 No.117/2024年4月26日【うらがわ】 見上げればうらがわばかり水楢（みずなら）の樹が吸い上げる水になりたし
見上げればうらがわばかり水楢みずならの樹が吸い上げる水になりたし
葉っぱの裏には気孔があって、...
伊藤一彦 No.116/2024年4月25日【十年】 うぶすなの空のうらがはまだ知らず八十年もわれあふぎきて
うぶすなの空のうらがはまだ知らず八十年もわれあふぎきて
あつこさんの「雪原」から「雪」の字をも...